感情が動かされる例
感情が実際に動かされる例を上げて行きます。
(1)約束をやむを得ない理由で断る
(1-1)不審が拭えぬ断り方
A:家の都合で23日の約束、守れないかもしれません。すみません…。
B:…しょうがないね。(なんだ家の都合って…?)
(1-2)もやもやする断り方
A:家族が調子悪くて、23日の約束、守れないかもしれません。すみません…。
B:…しょうがないね。(なんだ家族の調子って…?)
(1-3)気持ちが動かされて受け入れられた断り方
A:母親が脳梗塞の手術を受けてからまだ調子悪いみたいで、23日の約束、守れないかもしれません。すみません…。
B:…(ええっ!脳梗塞!それは大変だ。)しょうがないね。
(1-4)別の気持ちが動かされて受け入れられない断り方
A:母親がかぜで調子悪いみたいで、23日の約束、守れないかもしれません。すみません…。
B:…(かぜぐらいで来れないんかい!)しょうがないね。
(1-5)感じ方の違いの理由
(1-1,1-2)が受け入れづらいのは、「家族が調子が悪い」「家の都合」と抽象的表現のため、場面がイメージできない。イメージできないものには感情はわかない。
(1-3)は、「脳梗塞の手術」=大事である とイメージできて、「大事」=大変・驚き・心配 の感情が誘発されたものと思われる。
(1-4)は、逆に「かぜで調子悪い」=たいしたことない とイメージできて、「たいしたことない」=がっかり・自分の優先順位が低く扱いが良くない→悲しい・イラつき 等が想定される。
抽象的表現ではイメージが誘発されず、例え具体的でも実際に感じて欲しい感情にマッチしたものが誘発できないと、思った様な感情が誘発されない。(具体的に言うことは、抽象的に言うことに比べて何らかの感情を誘発はするだろう。)
(2)クリックしたくなる文言
実際にあった広告(⬇)
実際にもう来るな!と言われたことのある人は、きっとこれを読んでその時のことが思いうかんで「怒り」「恐怖」などを誘発すると思われる。
逆に言えば、その経験がない人には少々弱いフレーズ。
(意味はわかるが、実際にいわれたことでないと、その感情迄は誘発されないだろう。例えば、野球のキャッチボールってクタクタには「快感」「楽しい」のだけども、もし、キャッチボールしたことない人が、「キャッチボールでボールを投げて狙った所にバシッと収まる投球 身につけられます」と言われても、意味は完全に理解できるけれども、「狙った所にバシッと収まる」時の快感は誘発されないだろう。)
理解できることでも体験したことない物には感情をイメージしづらい。
(3)代弁してる感じを無意識に感じる
Facebookで見つけたシェアの記事。
クタクタは、事前にこの方が、新都知事「小池百合子」に対して、冷たい態度を取っているニュースを聞いていた。(詳細はこれね。)
このニュースにクタクタは「冷たいな!酷いな!傲慢だな!」という感情を抱いていた。
そこへこのフレーズ
クタクタの言いたい様な、「批判」をしている記事を見て、「そうだそうだ!」「良く言った」「クタクタの考えは間違ってないってことだね!」という
自分が間違ってない確認欲求
共感に嬉しくなる欲求
が反応した。そういう感情がでた。
当然、事前にニュースを見てなければ「何のこと?」となるが、これは第一回目で述べた所の「予告編を見ている」状態ということだ。
共感できるフレーズにはその共感内容と同じ感情をイメージさせる力がある。
(もし、世界には戦争があって悲しい!というのを訴えるフレーズに共感すれば、きっと感情は「悲しい」になるだろう)
例を通して考えうるまとめ
抽象的表現ではイメージが誘発されにくい。
具体的でも実際に感じて欲しい感情にマッチした具体性が必要。
経験したことないことは、理解できても感情がイメージとして出てこない。
共感は感情をイメージさせる
そうかだからメンタリストが書いた書籍の「影響力の心理 [ ヘンリック・フェキセウス ]」で、
ありがとうを言う時は、その理由をつけた方がいい
(例)コップ取ってくれてありがとう
というのは、何に対してかを言うことで、具体性が増し、感情のイメージが引き出し易くなるからなのか。
いくら、それまでの経緯で「ありがとう」と言われても、ただ「ありがとう」よりは、
「週に1回は当店で買い物していただき、さらにはチップ迄もらってしまってありがとう」
の方が、
「お客として、頻繁に利用してくれていることが嬉しいんだな。だから言われて私も気分がいいよ。」
となりやすいが、単に
(商売の後に)「ありがとうございました〜」
と言われて、終了するのでは、「まあ、買い物したから決まり文句と礼儀の意味で言ってるんだな」くらいにしかイメージされないからだと思えた。
「もうくるな」と言われる営業
よりも
「お前みたいに人の都合も考えずに強引にトークをする営業はもうくるな!」
の方が、
より、文句を言っている人が「怒っている様」がイメージできる。(なぜなら、そのシーン(強引にトークしている)が一般的には不快なことであるという認識が高いからだ。)
やはり、人に感情を起こさせるには、その感情がわき起こることが想像される「行為や事象」を具体的に説明することで、それを聞いた人にも同じ感情が怒ることが予想される。