自分あてに知り合いから来たダイレクトメールから考える営業方法

知り合いから、自分の出ている自主上映映画の告知が来た。

中身は

(1)案内の手紙

(2)告知の宣伝チラシ

だった。

私は、その知り合いが出ている映画はなるべく行く様にしていた。
なぜなら、毎回メールなどで直接連絡が来ていたので
私は、知り合いとしての親密度を上げたくて、行っていた。

そう、行く目的は完全に、

「誘ってくれたから」
「仲良くしたいから」
「見に行ってくれる特別な友人」でいたいから

だ。

今回は手紙で来た。

私はまず、案内の手紙を見た。
90%はワープロで作成されているが…

自分の名前と、最後の部分に一言がともに、手書であった。良かった。

「今回は値が張るが見て欲しい」
とあった。

弱い。

私は多分見には行くと思うのだが、正直、このセールスライティングでは、
私の理由が前述したものでなければ、間違いなく魅力に欠ける。

誘う時のセールスレター考察

私は多分

「クタクタさん、いつも来て頂いてありがとうございます。
僕とクタクタさんの仲だから、もし来ていただけるなら、特別な席を用意しますね」

とか

「特別に割引しちゃいます!」

とか

最悪

「上映終わったら、ちょっと飲みに行きませんか?」
もしくは
「上映終わったら、少し久しぶりに雑談しましょうよ」

でもいいかな。
私の行く理由の場合は、確実に友人として特別扱いをされたいので、

わかりやすいのは、値引き、でもそうでなくても、単に話ししましょうでも充分それを感じるわ。

だって、見に行って、帰るだけなら、単なる映画鑑賞だけど、

見に行って、関係者と話すなら、行く目的が一つ増えるから。

あとは、値が張るけど見て欲しいは正直私は、「高いなぁ」しか感じなかった。
「あ、本当に値が張ってる」と。

今読んでる本にあるんだけど、必ずポジティブに言い換えるべきだ。

「お値段分の価値が保証されている面白さです!」

とか

「このお値段分のクオリティを提供するために、スタッフ一同、今迄にない気合いを込めて作りました」

とか。

でも実際、自分が物を売る時の値段を決める時には、
高くするなら高くするなりの理由が、

安くするなら安くするなりの理由があるはずだ。

多分それを言えば良い。

安いけど、それは何度も見て欲しいから安い(のであって、質が悪い訳じゃない) とか。

今回は値段高いけど、上映劇場を偉く高級な所にするためなんです。
だから、はっきり言って他では味わえない迫力を感じますよ。

でも良いと思う。
そしたら、まあ仕方ない。それなら行ってもいいかなと 考えなくもない。

告知のセールスレター 考察

一応、ワープロで書かれた文章も目を通してみた。
内容は、有名な俳優が誰がでてる とか、そんな内容が書いてある。

…全然惹かれない。

私は考えてみた。
何が魅力を感じないのか。

…そもそもこの映画、私に何の関係があるの!???

が解消されていないのではなかろうか。
もちろん、私は何度も知り合いの映画を見に行っている。

でも、やっぱり自分には関係がない。
私はそもそも自主上映映画好きではない。

単に、仲良くしたいから行っているだけだ。
その割には、今回は高めの値段設定だ。

本音を言うと、惹かれないので、見に行きたくはない。

もちろん、前に行った時に見た物はそこそこ面白かった。
でも、私はこの自主上映映画に惹かれる要素が皆無だ。

「作ったので見てください。楽しんでいただけるかと思います。」

そんなんじゃ、知り合いじゃなきゃ100%見に行かない。

今考えてみたが、例えば

この映画は、独身の40代男性へのエールを込めて作りました。

もしこの一言があれば、そもそも行っても良いかなと思っていた私は、
おお、私にぴったりなのね

と思って、少しそそられるかもしれないと思った。

最近、営業の本を読んで思うのは、画一的に同じメッセージを送って興味をもたせるのはなかなか厳しいということだ。

ただ、今回は手紙だから、面倒だけどメッセージを変える事は可能であったと思う。

他には…そうだな。

一日中眠いあなたの目を覚ます事のできる、衝撃映画が完成しました。

なんかどうだろう。
比較的万人に使える。

もちろん、眠くない快眠の人には効かないが。

映画の内容の伝え方も7つのトリガーに基づいて伝えるべきだ。

権威

 有名な人がでてれば

一貫性

 今迄どおりの迫力を維持しております とか

対照

 他の映画にはない緊迫感を持たせる事に成功した

理由

 これは、さっきまで考えたその人に関連があることを伝えればよいのでは?

希望

 明日からの仕事にやる気がみなぎるパワーを得られます とか
 人生を楽しく生きるヒントが満載

友情

 特別扱いしてることを伝える
 クタクタさんだから、○○〜。

交換

 良い席とってあるから、来てね とか
 FBで相手の投稿に毎回いいねしておいて、返報性の原理を狙うとか

また、説明の時になるべく「相手にわからない物」は使わない事だと思う。
今回のを読んでて、何に一番興味がわかないのを感じるのかと言うと、
知らないことがでてくるからだ。

アメトークがなぜ面白いのかを分析したときに、
映像で補完しているから
だと思った時があった。

この手紙の説明文でも

普及の名作、小説「▼▼▼」を自主上映映画かしたこの作品は、以前■■監督で◎◎年にも映画化されており、そのリメイクになります。

小説▼▼▼ ??? 知らねーから。

■■監督  ??? 知らねーから。

→結果:興味ねー

と感じるロジックではなかろうか。

いやーやっぱり、他人の物事にケチをつけるのが唯一無二の良く考える勉強法だと新めて痛感する。
今回も良い勉強になった。

売りつけ感を出さないで売りつけるにはどうすればよいか?

最後に、一番思うのが、
売りつけられてる感 を感じると、買いたくないなと思ってしまう。

「買ってくれ」とは書いてないけど「見て頂きたい」とは書いてある。
でも「値段が高い」から「行きたくない」のが本音。

どうやって売りつけられてる感を出さないで売るのか。
それは永遠の課題ではあるが、

その答えの一つは、「興味を持たせる」ことなのではなかろうか?
はっきり言って「見て頂きたい」なんて言われなくても、「面白そう」だと思えば見る。
要するに、「買ってくれ」と言われなくても買わせる最大の方法は「買いたい」と思わせる事だ。

だから、

1.相手が興味を持てる様に
2.相手に理解できる言葉で
3.何がどういう理由で良いのか

を伝えるだけで、
「見て欲しい」という言葉を入れずに売り込み行為ができるということなのではないか?
と仮説を考えてみた。

逆に言えば、あとは、買わせる方法はうまい誘導でNoと言わせない作戦くらいしかないと思う。
ま、「暇だったら来てね」
くらいは言った方がいいかもしれないが。