感情に突き刺さるコピーの作り方(5) 感情移入の条件

今日のリオオリンピックのニュースで、萩野選手が金メダルを取った。
母校の生徒にインタビューすると

「自分が金メダル取ったかの用に嬉しかったです!」

というようなコメントをしていた。

これは、確実に「感情」に訴えかけている良い例だ。
なんの条件が重なると、感情移入しやすくなるのだろう?

(1)珍しい大会だった

オリンピックと言う舞台、これは4年に一度しかない。
もし、この大会が毎週やっている物であったら…おそらく母校の生徒は、そこまで「やったー!」とはならなかったに違いない。

甲子園で優勝するから「うわーっ!」となるわけで、草野球の1回戦に勝っても見てる人は「所詮草野球でしょ」で終わってしまう。

じゃあ、珍しければ感情移入するのか?
そんなことはないはずだ。

なぜなら、私は嬉しくない訳ではないが、ニュースで聞いた時に「あ、よかったね。」程度だった。珍しいことは一つの条件ではあるが、もっと大事なことがあるのではないか?

(2)共感できる相手だった

同じオリンピックなのに、クタクタは感情移入せずに母校の人は感情移入する。

それはおそらく「萩野選手」をどれだけ知っているか?にかかってくるのではないか。
母校の生徒だから、親しくはなくとも「同じ学校繋がり」で親しみは覚えている。

誰しも自分の学校から有名人がでれば、親しみを覚えるし、
自分と同じ物を持つ人には好感を感じやすい。

同じ誕生日だと言うだけで好感を持つ。

自分の子供が出場する少年野球の試合に、親は自分のことのように応援するだろう。
別に少年野球の試合でなくても、学芸会の演劇でもそうだ。

どうも、クタクタには、感情移入しやすい相手というのは「共感できる要素が大きい」相手という要素が大きい気がする。

もちろん、自分の子供が出てるからって、少年野球の練習でまで興奮する人は少ないだろう。学芸会の演劇の練習でも興奮しない。それが「本番」だから熱くなる。

そう言う意味で(1)の珍しいという要素も必要であるとは言える。

歴史を知ってもらう中に共感要素があるかもしれない

あるマンガ等でも、主人公の人となりを知って初めて「がんばれ!」と応援したくなるものではないか?

ドラゴンボールで悟空が歩いて来た道のりを知るから、「突然出て来た敵」に負けて欲しくないと思える様になる。

だが、もし「突然出て来た敵」の壮絶な人生が語られた後で、悟空と対決したとしたら?

もし、「突然出て来た敵」の壮絶な人生がえらく共感できるものだったら?

どっちを応援するのだろうか?

物語としては面白くなる要素の一つではあるが、感情移入としては、どっちつかずになるかもしれない。

共感できる要素を作って、語れば感情移入されやすくなる

要するに感情移入されるくらいまでの対象となるには、「共感できる要素」を知っておいてもらわなければいけない。

萩野選手の母校のインタビュー受けた人は、詳しく見てないけど、もしかして「水泳部」の人だったのかもしれない。

いかに萩野選手の母校といえども、「鉄道部」のオタクにインタビューしてたら?

 

まるで、これは自分の事だ!
と思わせるには、その相手が共感できる物が多くあればそれだけで感情移入してくれやすくなるのではなかろうか?
(同じ学校の水泳部の先輩=仲間 と感じるのかもしれない)