感情にズキズキ来る名作RPG「アンダーテール」やってみた

アンダーテールをプレイした感想(ネタバレなしです!)

先日のⅡ魂2007演奏会の影響を受けて、プレイしたゲーム「アンダーテール」の感想、熱いソウルが冷めないうちに、記載します。

ネタバレはないですが、もちろん、ゲームの内容も記載はしないと感想が書けないので、一切情報を取りたくない方は読まないことをお勧めします。

あらすじ

システム

見た目は、ドラクエなどと同じRPGゲームです。

雰囲気は「MOTHER」シリーズです。戦闘シーンにおいては、縦スクロールシューティングゲーム要素があるという異色なゲーム。

物語

モンスターの住む地下世界に落ちてしまった主人公が、地上世界に戻ろうとするものです。

登場するモンスターは皆、個性があり、倒したり、仲良くなったり色々可能です。

“The friendly RPG where nobody has to die!
– 誰も死ぬ必要の無い優しいRPG”

-Undertale Release Trailerより

と公式に歌われており、そこが他のゲームにない独特な要素です。

きっかけ

私は、このゲームは「シナリオ」に惹かれてプレイしました。

Ⅱ魂演奏会でのスクリーンによる演出は、まさに、このゲームがどのような世界観のゲームでどう言うストーリーかの概略を垣間見ることができ、すごく興味を持てたのです。

音楽が良いだけではゲームとしては不十分

私がゲームや映画を見るときの主たる原動力は「シナリオ」です。

以前、「音楽がFFの植松伸夫さんで良いから」という理由で「グランブルーファンタジー」というゲームをプレイしましたが、確かに音楽が良かったのは間違いないですが、大して続かずに終了した記憶があります。

やはり、ゲームは音楽が良い「だけ」ではゲームとしては面白さを感じるには不十分であると感じたわけです。

(グランブルーファンタジーが「私にとって」興味がわかないゲームだったというだけで、他の人には面白いかもしれません。ここでは音楽がきっかけでやり始めても私にはそれはゲームを続ける原動力としては弱かったと言うことです。)

感情揺さぶるゲーム

このゲームをプレイしていると心が痛くなったり嬉しくなったりすることが多々ありました。

たまたま、ゲーム実況動画をプレイしているのをみてもそれは同じでした。

ゲーム実況動画の主も同じだった

物語序盤で知らない地下世界に落ちた主人公を親切に世話してくれるモンスターがいました。

しかし、対決するシーンが来て、倒さなくてはなりません。

「こんな選択をするなんて悲しくてできない」

などと、実況動画の主もつぶやいていて、その気持ちがわかります。

ゲームなのにグサっとくる

そのモンスターを退治した後にも、ゲーム内のキャラクターが

「あんなモンスターはいなくなってよかった」

とか言ってるシーンを見て、動画アップ主は

「そんな酷いこと言うなよ」

と言ってました。

自分で選択しているのがでかいのでは

ゲームだから冷静でいられるはずなのに、心が揺さぶられました。

もちろん、これはこのゲームに限らず、小説、映画、アニメ、共通していると思いますが、このゲームは特にそうでした。

なぜでしょう?

それは、小説やアニメと違って、自分で選択しなければならないからだと思えます。

このモンスターを殺すのか、生かすのか。

捨てキャラがいないアンダーテール

他のゲームでは、1個1個のキャラクターにはあまり焦点があたっていません。wikipediaに書いてありましたが、このゲームでは敵キャラも1キャラクター毎に、個性や演出があります。

どのキャラにも捨てキャラはいないのです。

アクセス解析見る時は個性なんて感じないから感情もない

現実世界においても、自分が出会う相手には誰一人として一括りにできる人間なんていない と感じます。

ブログのアクセス解析なんか、そういうのを思うのに格好の場所です。

アクセスが勝手に来ているような感覚

アクセスが何百と来るようになると、自動的にみんな見に来てるかのように思うのですが、そのアクセス1個1個は血の通った人間が何らかの目的などがあって、ちょっとずつ違う見方でアクセスをしているというのを、アクセスアップとか考えてるとつい、忘れてしまいます。

もし、1アクセス毎に事情があれば感情を感じるかも

アクセスが減るからこの記事削除するのやめよう、なんてアクセス解析見てて思いませんけど、このページ役に立つんです!と一度でも言われたことのあるページやサイトはなかなか削除はできないものです。

ストレスなく過ごすのに時として邪魔な感情

このゲームで考えさせられたところはそこです。

人間関係をストレスなく過ごしていく上で、感情が邪魔をします。

ですが、本作は、主人公は邪魔をしてくる敵をことごとく許すことができます。

ゲームだと許すのが楽にできるのはなぜ?

それはなぜか。

主人公(私)は、なぜか、邪魔されてるのに、「いいよいいよ」とあっさり「許す 許さない」の選択肢を選ぶ場面で「許す」と選択できてしまうのです。

現実世界では難しい

現実ではどうでしょう?

もし、嫌なことされた相手がいたとして、別に謝られたわけでもないのに、無条件ですんなり「許す」コマンドを選択することが容易なことでしょうか?

ゲームだから?本当にそうなのか?

ゲームだから感情を感じず選択することができているのではと思うわけです。

一方で、冒頭説明した通り、「ゲームなのに」「そんな選択はしたくないよー」と悲しく感じる場面もありました。

ゲームなのに無慈悲さを感じる場面もある

許すのは簡単だが、ビデオゲームなのに「主人公を親切に世話してくれるモンスター」をやっつけるのは、どこか無慈悲さを感じてしまいます。

飴玉を取りすぎたら罪悪感を感じてしまった

序盤に飴玉を拾っていくシーンがあります。

その場所を調べると何個も飴玉を拾うことができるのですが、取りすぎると飴玉がなくなってしまい、まるで他の人もその飴玉食べるから残しておかないなんて という意味をこめて 「酷い」 と調べると表示されます。

私は、この画面でやはり「罪悪感」を少し感じてしまってました。

TVゲームなのに。

人はどう言う時に感情を感じるのか?

もし、この感情を感じる時と感じ辛いときの自分の条件みたいなのが明確になれば、もっと人間関係も楽になるのではないかと思えました。

私が感情を感じた時

私の場合はなんでしょう?

(1)相手が嫌がるだろうと自分の中で想像できる時悲しく感じ

(2)許すということが目的達成のために必要だと思える時、簡単に許せる

のではないかと感じました。

(1)相手が嫌がるだろうと自分の中で想像できる

というのは、ゲームのモンスターはパッと現れたスライムと違って、それまでの過程があります。

「世話をしてくれた」モンスターを倒すのは悲しいです。

戦闘中に会話をして「裏事情を知った」モンスターを倒すのは悲しいです。

事情を知ると感情を感じる

たとえ仮想のゲームであっても、各々に事情があるんだよ と説明することは、相手の中で想像を生み出し、それが感情になるのではないかと思いました。

反応があると思うとそれを聞きたくないと思ってしまう

また、モンスターはあらかじめ用意されたセリフかもしれないが、その結果の反応をしてくれます。ドラクエのモンスターは倒しても「苦しい」なんてセリフは吐きませんが、このゲームでは何らかの反応が帰って来ます。

現実世界で意識的に使うなら

だから、人に何かしてもらいたい時とかは、きちんと説明をすることが大事だと感じます。

借金の取り立てがもし来たら、「会社リストラにあったから手持ちがない」とその事情を話すのは、そう言う意味では効果があるのではと思えます。

そんな事情なら、もし無理に借金回収したらこの人は苦しむリアクションをするだろうな と思わせられれば感情を感じる可能性があります。

(2)目的達成のために必要だと思える時、簡単に許せる

なぜ酷いことしてきた相手なのに、ゲームに限ってはあっさり許せたのか?ということを考えて来ました。

 

それはひとえに、ストーリーが進まないからだと思えました。

目的があるから許せる

このモンスターを倒さないルートで話を進めるには「許す」しかないのです。相手が強すぎて、何十回とボス戦をやり直すと言うイライラする場面を経ても、「そうしないと進まない」から、「許す」が簡単に選べてしまった気がします。

許す・・・というか、許すルートに行くのが目的だから気にもならないという感じでしょうか。

ここは現実には置き換えづらい

現実世界ではそこが複雑です。
もし、「許さない」と目的が達成できないと明確ならいいのですが、相手によっては許したことでつけあがってしまったり、許したからって何も反省してなくて、また同じことになってしまうということもありえるでしょう。

結果がわかってれば許すも簡単

それは、例えば、私だってもし、昔喧嘩してわかれた元彼女と今会話できるとして私が「許す」コマンドを発行するだけで「うまくいって復帰できる」ことがある程度明らかなら発行するでしょう。

ゲームと現実の違いは結果が予想できないところか。

ただ、こちらが許しても向こうが何とも思わないかもしれない。とすると、なぜ私は許すの?みたいな感じになってしまう。

ゲームと現実との違いはそこなのかもしれません。

相手を無条件で許す根拠になる目的を探せ

だから実際には「相手の出方に関係なく」相手を無条件で許す根拠になる目的(ゲームで言えば、ストーリーを進めるにはそれしかないからと言うもの)を常に自分で探すことが、心の器が広くなるためには大事なんじゃないかと思えたのです。

相手を許すメリットを常に考える

例えば、、、「相手を無条件で許せばいちいち相手のことを気にかけなくなって、清々しい時間を過ごせるから」みたいな感じでしょうかね。(怒ってる時は気になっちゃって結果、怒ってる時間が増えてしまう)

こんな感想をもったシナリオ

とまあ、こんな感じのことを考えさせられる深いシナリオだったんじゃないかと思いました。

シナリオ+音楽は強力なタッグ

いや、でもそれと音楽がめちゃめちゃマッチしてたから、感情に来る度合いがさらに増してましたね。

ゲームを進める原動力ではなかったですが、やはり、ゲーム音楽がマッチしてることによって、より心が揺さぶられたりしたので、ゲーム音楽自体は非常に重要であるし、やっぱりいいなと改めて思いました。

多分、今までのゲーム史上もっとも音楽とゲームがマッチしてたと思えました。

音楽の最も良かった点

このゲームにおける音楽で他のゲームではあまり見られなかった点があります。

ほぼ場面ごとに別の曲が用意されていた

通常のRPGですと、「戦闘」「フィールド」「ボス戦」など、場面で同じ曲が使われます。しかし、アンダーテールは、かなりの場面で別の曲が用意されています。

ボス戦に至っては、全部のボスは違う曲です。

初見なのに心に響く

しかも不思議なことに、それらは全てマッチしており、通常なら「ボス戦BGM来たー!テンション上がる!!」

となるところが、音が初見だとイマイチテンションが上がらない感じですが、本作は、場面にぴったりなので、それがいい。

悲しい運命を背負って戦う場面なのか、ひょうきんな敵と戦う場面なのか。。。

 

ポーズやセリフにバチっとBGMが合うのが本当にかっこよかったです。

違う曲だから場面場面に個性が生まれる

通常のRPGの音楽。統一されているからこその良さもあると思いますが、明らかに本作は別々の音が使われていることで全てのシーンに個性が生まれています。

驚いたハードモードの通常戦闘

一番驚いたのは、「ハードモード」という難易度を高くしてプレイできるモードがあるのですが、なんと通常戦闘の音楽が「ハードモード」専用曲でした。

今までたくさん曲を聴いて来て、「え、まだ新曲あった!!??」とすごく驚きました。

改善したい点

本作のwikipediaを読んでいると、作者は従来のRPGで不満だった点を改善して作られたとありました。

例えば、敵キャラは皆画一的で個性を感じない だから一人一人に設定を作った とかです。

別に私はゲーム制作をしているわけではないのですが、私ならこういう点がプレイしてて不満だったので、そこを改良できたRPGがもし作れれば、最高だなと、思ったので、書いて見ます。

2週目をもっと変えて欲しい

今までのゲームで、基本的には私は2週目をプレイしてません。なぜなら、一度見たものをもう一回見るのは「多少」違いがあってもあまりモチベーションが上がらないからです。

本作も、後半からだいぶ展開が変わるのですが、中盤までは概ね同じ流れです。

私なら、同じ内容のことを言っててもセリフがまるで違う とか、そういう感じにしたいなーと思いました。

攻略を見ないでできるようにする

人によって、このゲームの難易度は違うように感じると思いますが、私は、やや難しいと思えました。

後半は攻略サイトを見てしまいました。

攻略サイトを見ることが悪いわけではないのですが、できればそうじゃなくても大丈夫にした方がいいと思えました。

正しいかわからない状態で何度も繰り返すのは結構辛い

一番は、「本当にこれを続けてるのが正解なのか?」で迷ったことです。

ボスと戦う際に、戦わずに停戦を呼びかけて勝利したいと思っている最中、ボスの猛攻でやられてしまいます。

強すぎるからこのまま耐え忍んでても停戦できないのではないか?

という疑念があったので、つい攻略サイトを見てしまいました。

選択できるものを絞って迷わせないのも大事

ボスの一人は「停戦」コマンド自体を押せないように破壊してくるツワモノもいます。

それでも「話す」コマンドが残されており、ボスの猛攻に耐えてひたすら「話す」を繰り返して見るものの、猛攻に耐えきれず全滅→コンティニューを繰り返します。

コンティニューするたびに、ボスのセリフが若干変わります。「これで8回目の挑戦だね」とか。

意味深だが意味がなかったというのもそれはそれで辛いかも

すると、この回数を満たすほど全滅するのが攻略フラグなのかな?と思って、死にまくりましたが、結局関係なかったというのがありました。

私なら、「話す」コマンドが通じなくなった時点で「戦う」以外選択できなくするとかして、迷いを減らしてもらいたいなと思いました。

もともとそうだと思えれば耐えられる

もし「ハードモード」でプレイ中に勝てなくても自分が頑張ろうと思えます。

たけしの挑戦状をクソゲーとして酷評する気にはなれません。

もともとそういうゲームだからです。

ゲーム内で攻略サイトに匹敵する情報があってもいいのかも。

やりごたえと難易度は紙一重なので難しいと思います。

なので、常にゲーム内で「攻略情報」を提供するとか、迷いそうなところで迷わない工夫がされてると良いと思いました。

それこそ、コンティニュー回数が増えるごとに攻略情報を提供してくれるナビがいるとか。

もし私がRPGを作るなら

ということで、もし私がなんかRPGを作れるなら

・2週目も飽きないように作る

・もっと攻略しやすいようにする

という要素を満たした物にしたいなと思えました。

素晴らしいRPGです

いや、だからなんだって話ですがw

しかし、本作は、それ以外には満足しており、このRPGに匹敵するゲーム性を持ち、かつシナリオも惹かれるというものはあまり思い出せません。

 

本作の感想は以上になりますが、本当に素晴らしいゲームだと思いました!